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タイトル | 開心術における当院でのSSI予防について |
日付 | 2010-08-16 |
内容 |
2010. 8. 16 開心術における当院でのSSI予防について
開心術後のSurgical site infection(SSI)は、心臓血管外科医にとって最も起こって欲しくない合併症の一つである。ひとたび縦隔炎が発症すると、その治療に難渋することが多い。SSIはその予防が最も重要であり、施設ごとに様々な方法が行われている。当院で実践している、感染性疾患(感染性心内膜炎や感染性動脈瘤など)以外のSSI予防法を御紹介する。
? 術前に鼻腔培養を行い、MRSAが検出された場合はバクトロバン®を1日3回、 3日間鼻腔内に塗布する。 ? 術中術後の抗生剤投与について 抗生剤は鼻腔培養の結果にかかわらず、セファゾリン(セファメジン®)を使用する。 (1) 皮膚切開前に1回目(1g)を投与する。 (2) 術中は皮膚切開3時間後と7時間後に投与する(各1g)。 (3) ICU入室後は手術室最終投与時間から6時間後に投与する。 (4) 術翌日から1日3回8時間毎(6時、14時、22時)に投与を行い、2日間で終了する。 ? 皮膚消毒について 10%ポビドンヨード(イソジン液)を使用する。 まず、看護師がイソジンに浸した綿球を清潔鉗子で把持して皮膚消毒を行い、次に清潔術衣を着た医師が同様に皮膚消毒を行う。 ⇒文献でポビドンヨードより皮膚細菌減少効果があると報告された2%クロルヘキシジンアルコール製剤は、日本にないため使用できない。日本で使用できる0.5%グルコン酸クロルヘキシジンエタノール(ヒビテン、ステリクロンなど)は、電気メスを使用した時に揮発したガスに引火する報告があり、手術室での使用が困難である。またエタノールが含有されていないクロルヘキシジンは濃度が0.05%と薄いため粘膜用であり、皮膚消毒には不適であった。 ? 術中皮下脂肪組織の洗浄 閉胸時、皮下脂肪層を50〜100㎖の生理食塩水で洗浄する。 →縦隔炎の発生は、細菌が皮膚・皮下組織から固定のゆるい胸骨切開部を介して縦隔に到達し、膿瘍を形成する。そこで菌量減少目的に皮下脂肪層の洗浄を施行している。 以上の方法を2009年5月から施行し、現在までに縦隔炎の発生は認めていない。今後、導入を検討している予防法としては、(i)正中創皮下blakeドレーン留置、(ii)手袋の時間毎の交換、(iii)抗菌薬をcoatした縫合糸の導入、がある。
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