歯科口腔外科では、歯科医師2名、歯科衛生士3名、外来看護師、歯科技工士、受付各1名の計8名で診療を行い、尾三地区および福山市の広範囲な医療圏の医科・歯科医院と連携し、地域医療の一翼を担っています。

当科の診療は以下の２つの柱に基づいています。
●地域の医療機関からの紹介患者さんの治療
●医科歯科連携患者さんの口腔管理（周術期口腔機能管理等）

地域の医療機関から顎口腔外科疾患や一般の歯科医院では対応が難しい疾患を有する患者さんをご紹介いただいています。これに際し、紹介医とのFace to Faceの交流を大切にしながら診療に当たっています。

医科歯科連携は、医科各科および地域の歯科医院との連携に基づき、当院の入院患者さんの周術期（手術前・後）における肺炎などの合併症予防や口腔内のトラブルの予防・改善に取り組んでいます。

当科は紹介患者さんの治療や周術期口腔機能管理に重点を置いており、一般的な歯科治療（虫歯、歯周炎、義歯等）については地域の歯科医院へご紹介させていただいています。
患者さまのニーズに応える質の高い歯科医療を提供するため、疾患の状態から治療方法の選択まで、丁寧にご説明いたします。何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

＜地域の医療機関からの紹介＞
●埋伏歯（埋伏智歯、埋伏過剰歯、萌出困難歯など）
●歯性感染症（歯や顎骨周囲の炎症、歯性上顎洞炎など）
●顎骨骨髄炎・骨壊死（細菌性、放射線性、薬剤性）
●顎口腔の嚢胞（顎骨嚢胞、軟組織嚢胞など）
●顎顔面の外傷（顎骨骨折、歯の脱臼など）
●口腔粘膜疾患（口内炎、扁平苔癬、白板症、ウイルス性疾患、水疱性疾患など）
●顎関節疾患（顎関節症、顎関節脱臼など）
●顎変形症
●良性腫瘍・腫瘍性病変
●悪性腫瘍
●唾液腺疾患（唾石症、嚢胞、腫瘍など）
●口腔顎顔面の神経疾患
●その他（舌小帯短縮症、骨隆起、舌痛症、口腔カンジダ症、口腔乾燥症、味覚異常など）
●全身疾患を有する患者さんの口腔外科治療

病状によっては、他の科や広島大学病院との連携を図ります。

＜医科歯科連携＞
●周術期口腔機能管理
●ICUやERでの入院患者さんの口腔ケア

医科各科および地域の歯科医院と協力し、周術期の口腔衛生状態を適正に管理することで、術後合併症を予防し、患者さんの早期回復を支援しています。
また、緩和ケアや化学療法・放射線療法中の患者さんの口腔内有害事象の症状緩和や経口摂取の支援に努めています。
さらに、ICUやERに入院中の患者さんの口腔ケアも実施しており、誤嚥性肺炎の予防を行っています。

【外来診療】
初診は月曜日から金曜日の午前中に受け付けています。水曜日の初診は予約制となっております。
外来小手術は水曜日を除く、平日午後に予約制で行っています。
2023年度は2,326名の初診患者さんを診察し、1,809件の外来手術を行いました。

【入院診療】
基本的に当科の予定手術日は水曜日で、前日の火曜日の午前に麻酔科を受診いただき、その日の午後に入院となります。
2023年は71名の入院患者さんを受け持ち、全身麻酔手術を60名行いました。