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がん診療連携拠点病院

がん(癌)とは…?
≪子宮・卵巣がんについて≫

がん(癌)とは?
 

子宮・卵巣がんについて

最終更新日 平成20年12月15日
 

婦人科癌(子宮頚癌、子宮体癌、卵巣癌)

 
 当院では年間40から50人の進行婦人科癌の初回治療を行っています。
  (子宮頚部上皮内癌の場合、平均年45人円錐切除治療を行っています。)
  子宮頚癌とは?
   子宮は子宮頚部(子宮の入り口、頚管粘液を産生)と体部(赤ちゃんが育つ部位、月経を生じる)で構成されており,子宮頚部にできる癌を子宮頚癌といいます。子宮頚部の表面を覆っているのは扁平上皮といわれる細胞で子宮頸癌の約85%は扁平上皮癌です。他に腺細胞から発生する腺癌か、腺上皮細胞と扁平上皮細胞の両方から発生する腺扁平上皮癌も発生します。
 
子宮頚癌の症状
 
 初期には無症状であることがほとんどです。
腫瘍(癌の部分)が大きくなったり,癌の拡がりが大きくなると生理の時以外の出血や,生理の変化(長引く・終わってもまた出血する・不順になる),性交時の出血,おりものの変化(におい・量・性状),あるいは腹痛などとして現れてきます。
 
子宮頚癌の診断方法
 
(1)細胞診
現在,日本では20歳以上の女性には子宮癌検診が施行されていますが,通常癌検診といえばこの細胞診を行います。
細胞診でクラス3以上の結果があなたに出た場合,次のような精密検査を行います。
当院では以下の検査を水曜日の午後腫瘍外来を行っており予約制です。
(2)コルポスコープ
 子宮頚部を拡大して観察する拡大鏡です。これによって,より細かい病変や変化が観察できます。
(3)組織検査
 肉眼的に明らかに異常と思われる部分や,コルポスコープで変化の認められる部分をほんの少し切り取る検査です。
 
子宮頚癌の治療方法
 
1)外科治療
2)放射線治療
3)化学治療
4)免疫療法
患者さんの癌の進行期や年令や全身状態などを総合的に判断して,最適の治療法を決定します。いくつかの方法を組み合わせて治療を行うこともあります。

(1)外科治療
(a)円錐切除術:子宮頚部を円錐型に切り取る手術です。癌がどれくらい深く,どれくらい広く浸潤しているかを調べるための診断的術式である以外に,ごく初期の病変であれば治療となり得ます。
(b)(拡大)単純子宮全摘術:子宮全体を摘出します。
(c)(準)広汎子宮全摘術:子宮本体だけではなく,膣の一部分を含めて子宮の周囲の組織を骨盤壁の近くまで広く切除します。また子宮周囲のリンパ節(骨盤内のリンパ節)も摘出します。卵巣については癌の進行度,種類によっては温存が図れる場合もあります。
(2)放射線療法
 放射線を照射することにより,癌細胞を殺す治療法です。
通常身体の外部からあてる外照射と,癌のあるところに線源を入れて行う腔内照射とがあり,この2つを組み合わせて治療します。
(3)化学療法
 化学療法では,抗癌剤と呼ばれる癌細胞を殺す働きのある薬剤を一種類から数種類併用して投与します。投与方法は薬の種類によって異なり,経口投与や,注射での投与などが一般的です。
 
化学療法併用放射線治療
 
術前、術後化学療法
術前、術後放射線療法など当科では集学的に治療を行っています。
 
再発
 
 再発とは治療で完全に消えてなくなったと思われる癌細胞が時間とともに増殖し,大きくなる状態です。治療後2年までの再発が多く,再発する場所としては子宮摘出後であっても局所(子宮の元あったところ)が一番多く約1/4を占めます。放射線治療などで子宮が残っている例では子宮頚部,膣壁,傍子宮組織(子宮周囲の組織)を含めると局所再発は76%,肺や肝臓など遠く離れた臓器への遠隔転移が16%,不明が8%です。
 子宮頚癌の再発に対しては,主として化学療法と放射線療法が選択されます。手術療法は転移病巣が孤立性で限局している場合に行われることもありますが適応となる例は多くありません。再発に対する標準的な治療法はなく,個々の状態に合わせて検討した後,患者さん本人及びご家族の方々と相談の上,治療法を決定しています。
 

子宮体癌(子宮内膜癌)とは?

 
 子宮は女性の骨盤内にある臓器で,妊娠していない成人女性では大きさは鶏卵大程度です。子宮は妊娠時に赤ちゃんを育てる子宮体部と,分娩時に赤ちゃんの通り道となり,子宮の入り口に当たる子宮頚部に分けられます。
 子宮体部は筋肉でできており,内側は子宮内膜で覆われています。子宮内膜は,妊娠していないときは月経周期に従って毎月増殖,剥離を繰り返しており,子宮内膜が剥離すると月経として出血をみることになります。この子宮内膜細胞が悪性化したのが子宮体癌(子宮内膜癌)です。
 日本では子宮癌のうち,以前は子宮頚癌が9割以上を占めていましたが,最近では子宮体癌が増加し,3割程度を占めるようになってきています。子宮体癌の好発年令は,子宮頚癌に比べてやや高齢で,50?60代とされています。

子宮体癌になる可能性が高い人としては,
  • 動物性脂肪を多く含む食生活をしている
  • タモキシフェン(乳癌の治療薬として使われるホルモン剤),あるいはエストロゲンを単独で(プロゲステロンと一緒にではなく)内服している人
  • 出産経験のない人
  • 肥満の人
  • 糖尿病,高血圧のある人
などがあげられています。また乳癌,大腸癌の既往がある場合には,ホルモン剤の内服をしていなくても子宮体癌の発生する可能性が少し高くなると言われています。
 
子宮体癌の症状
 
 子宮体癌に特有の症状というものはありませんが,以下のような症状を認めたときには,早めに婦人科を受診し,子宮頚癌だけでなく,子宮体癌の検診も受けることをおすすめします。一般的にいう子宮癌検診では,子宮頚癌の検診のみのことが多いので注意が必要です。
  • 月経以外の不正性器出血。特に閉経後の持続する少量出血や閉経前後の不正出血。
  • おりもの
  • 排尿痛あるいは排尿困難
  • 性交時痛
  • 下腹部あるいは骨盤領域の痛み
 
子宮体癌の診断
 
子宮体部細胞診検査
子宮内膜組織検査
超音波検査
CT,MRI
腫瘍マーカーを含む血液検査等
 
 
 病期(ステージ)分類の他に,子宮体癌の多くを占める腺癌(子宮内膜を構成する腺細胞の癌)は,癌の分化度(たちの悪さ)によって3段階に分類されています。
 
子宮体癌の治療方法
 
 子宮体癌の治療法としては,手術療法,放射線療法,化学療法,ホルモン療法の4つが標準的な治療法です。これらを適宜組み合わせて,それぞれの患者さんに最適と考えられる治療法を決定していきます。以下に4つの治療法について説明します。
 
(1) 手術療法
(2) 放射線療法
(3) 化学療法
(4) ホルモン療法
 
再発
 
 一旦治療が終了し,内診,画像などで評価できる病変がなくなった後に,再び病変が発生することを,再発といいます。
 子宮体癌の再発部位としては,子宮や卵巣を摘出した後の,骨盤内に再発する「局所再発」と,肺や肝臓といった骨盤外の臓器に再発する「遠隔再発」が大体半々です。
 いずれにしても,再発病巣が1つだけの場合には手術的な切除が可能かどうかを検討します。これが難しい場合,局所再発で,病変が骨盤内に留まっている場合には放射線治療,再発病巣がいくつかの臓器に及ぶ場合や,放射線治療をしたあとで,更に追加の放射線治療が難しい場合などは,化学療法の適応となります。
 ただし,再発に対する標準的な治療法はなく,個々の状態に合わせて検討した後,患者さん本人及びご家族の方々と相談の上,治療法を決定しています。
 

卵巣癌とは?

 
 卵巣は子宮の両側に1つずつある2〜3兮腓梁扮澤舛梁ヾ錣任后M饒磴砲詫饂劼判性ホルモンを作る機能があります。月経があるうちは,毎月どちらか片方の卵巣から排卵があります。女性ホルモンは,女性らしい身体の特徴を作り出し,また月経の周期や妊娠と関係します。
 正常の組織が増殖したものを腫瘍と言います。腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。悪性腫瘍はいわゆる癌です。良性腫瘍は癌ではありません。良性腫瘍は大抵切除可能で再発することはほとんどありませんし,体の他の部分にとぶ(転移)こともありません。それに対して癌は異常な増殖をして,他の臓器や全身に転移していきます。卵巣にできた悪性腫瘍が卵巣癌です。卵巣の腫瘍にはいくつかの顕微鏡で見た形の上の特徴によるグループ(組織型)があり,卵巣の表面からできる腫瘍(上皮性腫瘍)がほとんどで,次に多いものとしては卵子を作る細胞からできる腫瘍(胚細胞性腫瘍)があります。他にホルモンを産生する細胞からできる腫瘍(性索間質性腫瘍)があります。それぞれに良性腫瘍,悪性腫瘍,その中間の性質を持つ境界悪性腫瘍があります。
 日本での卵巣癌になる人は女性10万人に対して8人程度です。(欧米と比較すると半分)先進国の中での頻度は低いですが,年々その死亡率は増加しています。1970年には死亡数が1129人であったのに対して1999年には4076人に増えています
 卵巣癌の中には「家族性のあるもの(肉親と同じ癌になること)」があります。1親等(母親,娘,姉妹)に卵巣癌の人がいる場合,その危険率は3.6倍と言われています。しかし,卵巣癌の5%くらいしかありません。不妊治療での排卵を促進させる薬剤を使ったことのある人に卵巣癌の危険度が上がる可能性が報告されていますが反論もあり結論は出ていません。逆に経口避妊薬を使った経験のある人では卵巣癌の頻度は低下します。
 
卵巣癌の症状
 
 初期にはほとんど症状はありません。進行して腫瘍が大きくなればお腹の上からしこりを触れたり,便秘になったり膀胱が圧迫されてトイレが近くなったりもします。また,お腹に水(腹水)がたまるとお腹が張る感じがしたり,衣類がきつくなったりして気づかれることが多いようです。高度になると呼吸障害も見られます。
 
卵巣癌の診断
 
(1)内診
婦人科の診察で卵巣だけでなく腟,子宮,膀胱,直腸の形や大きさの異常が分かります。内診で分かる卵巣の腫れは詳しい検査が必要です。しかし卵巣が5cm以下の場合触れることが難しく,子宮癌のような検診は不可能です。
(2)音波断層法
(3)MRI
良性,悪性の術前の予測に有効な検査です。
(4)CT
リンパ節や腹腔内の状態、肺、肝など転移の有無を検査します。
(5)腫瘍マーカー
血液検査により測定しますが,卵巣癌に特徴的なものとしてCA125があります。上皮性卵巣癌で陽性になることが多いですが,他の疾患(子宮内膜症,腹膜炎,肝疾患,腎不全,膵炎)や妊娠中,月経中でも陽性になることがあります。逆に陰性の場合でも癌ではないと言い切れません。
 
卵巣癌の診断
 
 病期により治療の方法が異なります。治療法としては手術療法,化学療法,放射線療法があります。それぞれを単独または組み合わせて行います。
(1)手術療法
 目的は,卵巣癌であると診断し,病期を決定し,進行癌である場合はできる限り腫瘍を取り除くことです。
 両側付属器(卵巣と卵管)、子宮の摘出、リンパ節(骨盤の中,腎臓の高さまでの動脈のまわりのリンパ節)摘出、大網の摘出を基本手術としています。 これに加え,腹腔内の細胞診(癌細胞がお腹の中にこぼれていないかを調べる),必要な場合は腸管の切除も行うことがあります。

(2)化学療法(抗ガン剤による治療)
 (a)手術後に投与する場合(手術で取りきれなかった癌に対して,又は手術後の治癒率を高めるための補助療法として)
 (b)再発した場合に行われます。一般的に静脈投与(点滴)がほとんどですが,内服又は 手術の際の腹腔内投与(お腹の中に抗癌剤を直接投与する)という方法もあります。どの方法でも血流にのって全身にまわり癌を攻撃します。化学療法により腫瘍を縮小してから手術を行うこともあります。静脈投与で使用する薬剤はではプラチナ製剤を中心とする方法が6回程度行われます。最近ではタキソールとプラチナ製剤の併用療法が標準的な治療法になっています。
(3)放射線治療
 高エネルギーX線を癌の部位にあてる治療です。身体の外からあてる外照射と,放射能のある液体を腹腔内に直接注入し腹膜の表面にあてる方法があります。最近では抗癌剤治療が主に行われますが身体の一部にだけある 時に使われることがあります。
(4)免疫療法
(5)分子標的治療(治験段階)
 
再発
 
 治療により一旦消失したと思われた癌が再び増殖してくることを言います。症状があったり(再発する部位で異なります)画像検査,血液検査(腫瘍マーカーの上昇など)などで見つかります。治療法としては化学療法を行います。プラチナ製剤使用後半年未満で再発した場合はプラチナ製剤を含まない薬剤を使用します。半年以上経過している場合は再びタキソール+プラチナ製剤を使用します。再発部分が限局している場合は手術でその部分だけを摘出することもありますし,放射線療法を行うこともあります。
 再発に対する標準的な治療法はなく,個々の状態に合わせて検討した後,患者さん本人及びご家族の方々と相談の上,治療法を決定しています。
 
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