初期臨床研修医プログラム概要
Ⅰプログラムの名称
「JA尾道総合病院初期臨床研修プログラム」
ⅡJA尾道総合病院について
地域の説明
JA尾道総合病院は、広島県東部の尾道今治ルートの玄関口にあり、尾道水道に面し、周辺には風光明媚な向島、村上水軍の本拠地があった因島、西日光として有名な耕三寺がある瀬戸田などがあります。山陰方面には尾道松江道路が建設中であり、大山へ通じる中国横断道につながります。まさに山陽、山陰、四国を結ぶ交通の要所です。
尾道は文化の街であり、志賀直哉の旧住居、林芙美子の文学の小道や大林宣彦監督による映画の撮影場所などの観光スポットがあります。また、浄土寺・天寧寺をはじめ、多くの寺院があり、古寺めぐりルートも人気があります。
尾道市の人口は町村合併後15万人ですが、当院の診療圏は備三地区(対象人口約30万人)であり、地域の拠点病院として住民の期待を背負っています。また、尾道地区は尾道医師会と連携を図り、継ぎ目のない医療を提供する病院連携や病診連携が進んでいます。
病院の歴史
当院は昭和32年11月開設以来50年以上の伝統があり、平成2年に救急告示病院、同9年に地域災害拠点病院に指定され、以後、臨床研修指定病院、地域周産期母子医療センター、小児救急拠点病院などになっています。平成18年にはがん診療連携拠点病院に認定され、広島県の2次医療圏における地域支援病院です。平成23年5月尾道市平原台に新築移転を行い、病床数393床で施設・機器の充実した最先端な新病院として、地域医療の中心的役割を果たしています。また、当院は医療教育・人材育成にも力を入れています。昭和43年に看護専門学校を併設しました。広島大学医学部学生のアドバンスコースとして卒前教育やインドネシアのハサヌディン大学との交換留学など国際的な医療教育も行っています。
病院の特徴
診療科は内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科、循環器科、小児科、小児外科、外科、肛門外科、乳腺外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、精神神経科、麻酔科、放射線科、歯科口腔外科、リハビリテーション科、救急科、緩和ケア内科、病理診断科、内分泌糖尿病内科、リウマチ・膠原病科、放射線治療科の32科を数える。Ⅲ初期臨床研修プログラム
全科経験可能な自由選択型の研修プログラムです
本臨床研修プログラムは、JA尾道総合病院を基幹型臨床研修病院としてプライマリーケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身につけることを目標としています。研修プログラムのコンセプトは、ともに考え創る研修プログラムであり、研修医自身の希望・個性に合わせた研修ができるように、指導医・臨床研修プログラム委員との面談を基に研修プログラム作成します。基本研修プログラムは、1年次に、内科24週・救急12週(麻酔科研修を含む)・必修選択科12週、2年次は地域医療4週・精神科4週・自由選択32週ですが、希望により当院の全診療科での研修が可能です。
地域医療・精神科研修は、福山・尾道・三原地区の協力型病院にて研修を行ないます。
※地域医療および精神科は協力病院での研修を含む。
教育体制
- 研修管理委員長名
- 小野川 靖二
- 研修管理委員長名の役職
- 消化器内科主任部長・IBDセンター長
- 指導医数
- 69名(常勤医師数 99名)
- 研修医室
- 独立した研修医専用の部屋を設け各自に専用机あり。
- 当直室
- 研修医専用で仮眠室兼用。
- 図書室
- 有り、インターネット利用可。学会発表スライド作成用に2台のPC、スキャナーなどを用意。メディカルオンライン 利用可
- 学会、研究会への参加費用
- 支給あり
評価方法・研修医の評価と修了証書の交付
PG-EPOC(オンライン臨床研修評価システム)を使用し、あらかじめ設定された研修目標と評価チェックリストに基づき研修医が自己評価を行うとともに、指導医が研修医の評価を行う。これらの資料に基づき、臨床研修評価専門委員会で審議し、最終評価を行う。本プログラムの目標を達成したと考えられる研修医には研修修了書を交付する。
選考方法
選考方法は書類審査、小論文、面接とする。処遇
身分
JA尾道総合病院 臨床研修医(常勤嘱託)
研修手当
1年次 約650万円
2年次 約680万円
(過去実績)勤務時間及び休暇
勤務時間
午前8時30分から午後5時を基本とする(休憩60分)
休暇
土曜日、日曜日、祝祭日及び12月30日から翌年1月3日(年末年始休み)時間外勤務及び当直
当直時指導医もしくは上級医が救急車対応、Walk-in対応、小児科、産婦人科、ICU当直として常駐。
1年次:セカンドコールとして当直医の下に診療
2年次:ファーストコールとして診察し、状況により当直医と相談
回数:平日週1回、土日祝日は月1回
ただし小児科及び産婦人科研修中はセカンドコール宿舎
病院借り上げ住宅
研修医の負担金:家賃の1/4(例えば家賃6万では15,000円が自己負担)社会保険等
東京都農林漁業団体健康保険組合、雇用保険、厚生年金、労働保険、医師賠償責任保険
初期研修終了後の進路等
各大学の大学院(基礎医学、社会医学、臨床医学)へ進学するコース、本院で専門医としてトレーニングを受けるコース、他施設に移り臨床研修を継続するコースのいずれかを選択することが可能である。・初期研修修了者の進路先
広島大学 内科入局 | 尾道総合病院・済生会呉病院・広島市民病院・中国労災病院・広島記念病院・三次中央病院 |
広島大学 外科入局 | 尾道総合病院・東広島医療センター・安佐市民病院 |
広島大学 麻酔科入局 | |
広島大学 整形外科入局 | 中国労災病院・尾道総合病院 |
広島大学 産婦人科入局 | 尾道総合病院 |
岡山大学 病理学教室入局 | |
板橋中央総合病院 麻酔科 | |
県外 | 沖縄・福井・大阪 |
Ⅳ年次報告書
令和5年度 年次報告書
様式10 | 臨床研修病院年次報告 |
様式10 別表 | 病院群の構成等 |
様式10 別紙1 | 研修管理委員会名簿及び回数 |
様式10 別紙2 | 患者数・研修医数 |
様式10 別紙3 | プログラム概要 |
様式10 別紙4 | 指導医名簿 |
様式10 別紙5 | 時間外・休日労働数 |
Ⅴ研修希望者のみなさんへ
研修責任者より
当院は、輪番制二次救急病院に指定されており、365日24時間体制で救急患者の受入を行っており、高度先進医療と救急医療に高い実績をもっています。症例が豊富で学会指導医等も充実しており、先進的な医療に従事し履修ができる環境を提供しています。
また、平成18年8月には地域がん診療連携拠点病院に指定され、地域完結型医療を推進し地区医師会等との病診連携も緊密に行っています。
歴史と文化に富み、海にも面し風光明媚な環境のもとで、充実した質の高い医療を展開するJA尾道総合病院で、臨床医としての優れた技能と深い知識を習得しませんか。
医療従事者として
患者さん・家族への対応(挨拶・態度・言葉遣い)を一層ブラッシュアップしましょう。
職員との接し方(挨拶・態度・言葉遣い・協調性)も大切です。皆があなたを支えてくださいます。
医師として
- 問診、視診、聴診、触診等の基本的診察法
- 診断に至るための問題点の整理と記載方法(カルテの記載法)
- 確定診断に至るための補助診断法(画像診断法等)の手技や読影法ポイントと検査上の注意点などの習得
- それらを記録し、患者さんや家族に十分な説明を行い納得のうえで治療方針を決定等が求められます。
「自ら求めて学ぶ」ことを基本理念とし、医療はアートであるからして狭い専門性に陥ることなく、診療科の枠にとらわれず、幅広く研修して欲しい。医療技術ばかりでなく、人間的にも、倫理的にも自らを高めて欲しい。
研修医の皆さんは、近い将来日本の、いや世界の医療の担い手であることは間違いありません、21世紀を担う医師を目指して欲しい。
病理医からの提言
― 病理解剖の意義 ―
病理研究検査科主任部長 米原修治
医師が患者に求められるものは医療の専門家としての知識と技術である。医師は専門家としての患者の要望に応じられるように努力し、患者に対して行った行為が正しかったか否かを常にチェックする義務がある。臨床症状や検査データの解釈、治療の適不適をつねに問い直すことが患者の信頼に応える一つの方法である。病理解剖を行うことで、患者のケアに対するその質を評価することが可能になり、なされた治療の効果を判定することができる。病理解剖の結果は医師個人や看護に携わった人達の評価、臨床医が行った医療行為に対する反省、明日からの医療に対する指針を得るうえで特に大切である。The College of American Pathologists(CAP)が、病理解剖を行うことが望ましいとしている症例を列挙する1、2)。
- 剖検を行うことによって、主治医にとって予期せぬ合併症を見つけだすのに役に立つと思われる症例。
- 臨床的に死因が明確にできなかった症例。
- その死に関して、家族や社会の不安を軽減するために剖検が必要と考えられる症例。
- 治療や処置のあいだ、あるいはその直後に起こった突然死症例。
- 病院が認めた臨床試験中の死亡症例。
- 自然死と考えられ法医解剖を行う必要はないが、その死が予測できず、死因が明らかでない症例。
- DOAあるいは入院後24時間以内の死亡で、司法解剖の必要なしと認められた自然死症例および入院中に外傷を受けた、または受けたと考えられる症例。
- 妊娠中の死亡症例。
- 新生児及び小児の死亡症例。
- 臓器移植に関係する疾患を有すると思われる死亡症例。
- 危険度の高い感染症や伝染性疾患での死亡症例。
- 環境あるいは職業性疾患による死亡症例。
病理解剖に積極的に参加し、臓器の病理所見を学んで、自己の診断能力向上の一助にしようではありませんか。
参考文献
1) Hutchins,GM(Ed):Autopsy performance and reporting. College of American Pathologists,Illinois,1990.
2)Travers,H(Ed):Quality improvement manual in anatomic pathology. College of American Pathologists,Illinois,1993.
結びの言葉
日本は少子高齢者社会へ向かって、世界の先端を走り続けており、今後も医療冬の時代はかなり続くものと思われる。しかし、どんなに厳しい時代になろうとも、悩める患者さんが消えることはなく、奉仕の精神で臨んで欲しい。この病院で十分に研修されて、国際的に通用する医学知識、マナー、さらに幅広い教養を身につけ、人間として、医師として患者さんから慕われる優しい医師に成長していって欲しい。臨床研修委員会は皆さんへの期待に沿うよう、十分な支援と指導を惜しまないつもりでいる。理論は時間の経過と共に変化するが自分自身が経験したことはいつまでも消えることはなく、診療に生きてくることを銘記して、研修に望んで欲しい。研修医の皆さん、21世紀の日本の医療の担い手として、また国際的な医師をめざして頑張って頂きたい。
当院での研修は"症例に触れる"ことはもちろんのこと、
"患者の心に入り込む医療"を行う。
尾道総合病院 臨床研修管理委員会
ⅥJA尾道総合病院宣言
Ⅶ資料請求先
〒722-8508 広島県尾道市平原一丁目10番23号
JA尾道総合病院 人事課
Tel:0848-22-8111 Fax:0848-23-3214
E-Mail:ri.onomichi@hirokouren.or.jp
- 医学生の皆様へ
- 初期臨床プログラム概要
- 初期臨床研修医の募集
- 後期臨床研修医の募集
- 病院見学のご案内
- よくある質問
医療関係者の方へ
- 当院をご紹介いただくには
- 臨床研修医の募集
- 医療福祉支援センター
- 著書・学会・論文
看護科のご案内
- 看護科ページTOP 尾道総合病院看護科での活動内容とご報告です。専門学校情報など。
がん診療連携拠点病院
- 尾道総合病院がん情報 がんについての説明やデータ等、がんについての情報です。
がん診療連携拠点病院
- 膵がんプロジェクト すい臓・肝臓がん教室の資料